けいすけのフィットネスブログ

パーソナルトレーナー「けいすけ」のブログです。有益なダイエット情報を発信中

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股関節を理解して、ダイエット効果を高める!?

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こんにちは!

パーソナルトレーナーのけいすけです!

 

今回は身体の構造のお話です。

股関節がパフォーマンスアップやダイエットにおいて必要不可欠な部位であることをお伝えしていきます。

 

股関節は、寛骨臼と大腿骨頭で形成される球関節です。股関節は関節窩が深いため、臼状関節に分類されることもあります。股関節は筋・靭帯に覆われており安定性は非常に高い一方で可動域は狭くなります。

 

 

 

[股関節を解剖してみる]

股関節には腸骨大腿靭帯、恥骨大腿靭帯、坐骨大腿靭帯という3種類の靭帯があり、名称にある骨から起始し、全て転子間線に停止します。これにより大腿骨頚の90%以上が関節包に覆われています。

3種類の靭帯は螺旋を描いて走行しており、股関節伸展位では伸張し、屈曲位では弛緩しているため、最大伸展位において最も安定しています。一方、屈曲に内転を加えたポジションで関節の遊びが大きくなり、最も不安定となります。

 

①腸骨大腿靭帯

ASIS(下前腸骨棘)、寛骨臼上縁から転子間線に向かって二つに分かれて伸びている、人体で最も強い靭帯です。股関節前上部をY字状に広がります。股関節の過伸展や大腿骨頭の前方脱臼を防ぎます。

 

②恥骨大腿靭帯

恥骨から外下方へ伸び、股関節の関節包前下部、腸骨大腿靭帯の一部と癒着します。関節包の前下部を直接補強し、大腿骨頭の前方脱臼を防ぎます。

 

③坐骨大腿靭帯

寛骨臼縁から大腿骨頚の大転子内側後部に伸びます。股関節内旋、及び股関節屈曲位での内転の制限要素となります。

 

 

 

[股関節の機能]

①屈曲・伸展

伸展可動域は約15°と小さく、腸骨大腿靭帯に制限されます。一方で屈曲可動域は、膝伸展位で約80°、膝屈曲位で約120°となります。

 

②外転・内転

外転時には大腿骨頭の上方回転+下方滑りが、内転時には下方回転+上方滑りが生じます。外転可動域は45~50°、内転は20°~30°となります。外転は恥骨筋、内転は大腿筋膜張筋や長兄靭帯に制限されます。

 

③外旋・内旋

外旋時は大腿骨頭の外方回転+内方滑り、内旋時は内方回転+外方滑りが生じます。外旋・内旋は股関節のポジションによって制限される要素が異なります。

●股関節中立

外旋=恥骨大腿靭帯、関節包前部

内旋=坐骨大腿靭帯、関節包後部

●股関節90°屈曲位

外旋=腸骨大腿靭帯、関節包上部

内旋=坐骨大腿靭帯上部、関節包下部

 

④股関節の作用筋

・屈曲:腸腰筋

・伸展:大臀筋

・外転:中臀筋、小臀筋

・内転:内転筋群

・外旋:梨状筋、内閉鎖筋、双子筋、大腿方形筋

・内旋:中臀筋、小臀筋の全部筋束、大腿筋膜張筋

 

 

 

 

[股関節インピンジメント症候群]

股関節インピンジメント症候群は大腿骨と寛骨臼の間の接触に異常が起こっており、股関節の反復動作で関節周辺組織に外傷が生じ、変性が進行しやすいといわれています。股関節インピンジメントを誘因する症状には、次のものが挙げられます。

・LCPD

・大腿骨頭滑り症

・過大大腿骨頭

・股関節形成不全

・大腿骨頚部骨折

 

また発生のメカニズムとして主に3種類に分類されます。

 

①ピンサー型

寛骨臼蓋における構造的疾患が原因となります。中年以降の女性に多い傾向があります。大腿骨頭が寛骨臼の中に深くはまり込み、股関節運動でインピンジメントが発生します。

 

②カム型

大腿骨頭〜大腿骨頚にかけての構造的疾患に起因します。この2部位が平坦、あるいは凸状に盛り上がることで、大腿骨頭と寛骨臼縁でインピンジメントが生じます。慢性化するとインピンジメントが繰り返され、骨棘が形成され症状が悪化します。

 

③混合型

上記2つが合わさった形になります。

 

 

 

ダイエット成功の近道は「体内時計」!?

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こんにちは!

パーソナルトレーナーのけいすけです!

 

今回は「体内時計」をテーマにお話していきます。

ダイエットにおいてもその重要性は高く、生活のリズムを作ることでダイエット成功に近づくことができます。

 

 

 

[体内時計=サーカディアンリズム]

日本語では「概日リズム」と呼ばれています。サーカディアンリズムは空腹や眠気などを感じ取る体内時計です。このリズムを支配しているのは、脳の視床下部にある視交叉上核にあります。

 

 

 

 

[セロトニン]

サーカディアンリズムと深く関連するホルモンとして、セロトニンが知られています。セロトニンは幸福感、やりがい、自己肯定感、充実感を得られるホルモンであり、前駆体はアミノ酸トリプトファンです。セロトニンは腸内でも働くと言われています。具体的な作用としては蠕動運動の促進があります。

 

メラトニン

セロトニンは、光を多く浴びると分泌量は増え、光が浴びる量が少ないと分泌量が減るとされています。セロトニンは睡眠ホルモンであるメラトニンの前駆体でもあります。

メラトニンは、朝に目から光を浴びることで生成が始まります。そこから約12時間後にメラトニンが分泌されるとされています。メラトニンの分泌量が増加することで、夜になると体温が下がり、眠気が促されます。

 

セロトニンと血糖値

セロトニン分泌量は男性よりも女性の方が少ないとされています。セロトニン分泌の増加方法として甘いものを食べて血糖値を高めるという方法があります。それによって幸福感や興奮を得られやすいとされています。

ですので、女性の方が男性より甘いものが好きなのが多い傾向にあるのはその要因があるのかもしれません。

 

 

 

 

[自律神経・ホルモンバランスの調整]

サーカディアンリズムは、自律神経やホルモンバランスの調整に深く関わっています。

 

①朝

日中活動するための準備として、体温や血圧が上昇します。

 

②昼

最も活動的な時間帯であり、交感神経が優位に働いています。朝以上に体温が上昇しています。脂肪燃焼やダイエットの観点で、「運動はどの時間に行うのがベストか?」を考えると、交感神経優位かつ体温が高い状態が理想的であります。

その考えに基づくと、14時〜15時頃に運動を行うのがベストと言えるでしょう。

この時間帯は肥満遺伝子「BMAL1」の増殖が最も少ない時間帯です。BMAL1は脂肪細胞内で、脂肪酸コレステロールの合成を活性化させたり、脂肪酸の分解を抑制します。ちなみに最も多く増殖されているのは21時〜2時頃とされています。

 

③16時頃

この時間帯から、自律神経が副交感神経優位に働き出します。そして徐々に体温が下がるなどして、身体が睡眠の準備を始めていきます。

 

 

 

 

[コルチゾール]

ストレスホルモンという総称で呼ばれることが多いコルチゾールは、朝目覚める際に分泌量がピークを迎えます。就寝前には減少するが、朝との差は10倍以上の開きがあると言われています。コルチゾールには抗炎症作用、抗ストレス作用があり、世間一般では「コルチゾールが出るのはよくない」と誤解をされることもあります。

 

そのため大切なのは、コルチゾールが出ない方かいいのではなく、出るべきタイミングで適切な量が分泌されることです。仮にストレスフルな現場でも、最初のうちはコルチゾールが大量に分泌されるが、過剰分泌が続々と徐々にその量が減ってしまいます。分泌量が少ない=その環境に適応したではなく、脳が思考停止している状態といえます。そのためコルチゾールの分泌が止まり、うつや精神疾患、難聴といった諸症状のリスクが高まってしまいます。

 

サーカディアンリズム上、朝方に必要量が分泌されて欲しい際に分泌されないと、朝方に血圧・体温上昇が促されなくなります。コルチゾールはグリコーゲンをエネルギーに変換する代謝反応にも作用するため、日中の活動量が大きく低下してしまいます。

 

コルチゾールは副腎から分泌されるため、コルチゾールの過剰分泌が続けば副腎疲労も引き起こしやすくなります。副腎は性ホルモン分泌にも関わるため、副腎疲労が月経周期の乱れにも繋がります。

 

膝を痛める主な要因とは?

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こんにちは!

パーソナルトレーナーのけいすけです!

 

今回は悩んでいる方も多い「膝の痛み」について、前十字靭帯にフォーカスしてお話ししていきます。

前回、前十字靭帯の構造や特徴について記事にまとめておりますので、先にそちらをぜひご覧くださいませ。

 

keisukefit.hatenablog.com

 

 

 

[前十字靭帯損傷の要因]

①下肢関節の不整合

下肢関節の不整合及びそれに伴う関節の運動障害により、直接的・関節的にも膝関節には影響が及ぶと考えられます。ランニング、ジャンプ、カッティングといった動作により、地面から足部に伝えられたエネルギーは足関節から膝関節、股関節へと上方へ伝達されます。

 

関与する関節の機能が正常であれば、伝達されたエネルギーは筋肉や靭帯、関節包など軟部組織・関節で衝撃が吸収されます。しかし関節不整合が原因でその機能が低下している場合は、代償で一部組織に大きな負荷が加わります。

 

四肢関節の不整合により、各関節の運動が効率的に行われなくなり、局所的・機械的な負荷の増加が発生します。筋骨格神経系の疾患の危険を高め、傷害の原因ともなります。

 

過剰な負荷が加わっている間や、急激な負荷のベクトル変化などにより、関節を保護している構造には顕微鏡レベルの損傷が反復して発生しています。加えて神経知覚機能の変化が起こり、関節の不安定性へと発展します。

 

骨格姿勢の歪みがある場合、関節周辺にある靭帯には既に過剰な負荷が加わっていると推測できます。そのため、臨床的にわずかな外的負荷が加わるだけで損傷が起こると考えられます。

体幹前屈位において、「股関節内転位」「大腿骨内旋位」「膝関節20°〜30°」「脛骨外旋位」などの傾向が見られると、前十字靭帯の損傷が発生する可能性があります。

この下肢関節の不整合にはいくつかの危険因子がありますので、ご紹介していきます。

 

 

{1}足関節の過剰回内

足関節の過剰回内は、下肢の各関節だけでなく仙腸関節や腰仙関節、脊椎の椎間関節にまで影響が及びますので、あらゆる筋骨格系傷害の原因となり得ます。足関節の中心となる骨は距骨であり、上側に距腿関節、下側に距骨下関節があります。足関節の過剰回内傷害においてしばしば問題となるのが、この距骨下関節とされています。

 

距骨下関節は距骨と踵骨の間にてあり、距骨は舟状骨の後面とも距舟関節を形成しています。通常の歩行周期において、距骨下関節には外反力が作用します。また、足関節の回内には外反が含まれており、距骨下関節において過剰な外反力が作用しているということは、過剰回内が発生しているといえます。

 

距骨下関節における適度な回内は衝撃吸収作用にとっては必要なものになります。歩行やジョギング、ジャンプ、カッティング等で生じた衝撃の一部は、距骨下関節が回内することで吸収されます。この時脛骨には内旋運動が伴うが、足関節に過剰回内が生じている場合は、脛骨もより大きく内旋方向へ変位します。

 

 

{2}反張膝

後天的に形成される構造的疾患で、膝関節が過伸展している状態のことを言います。スポーツ障害に限らず、膝関節周辺構造の傷害リスクを高める要因となります。膝関節への過伸展の反復的に発生し、膝関節後側の靭帯、関節包、筋肉などの軟部組織へ慢性的負荷が加わります。

前十字靭帯は、膝関節の伸展に伴い伸張され、膝関節の過剰伸展が反復されると前十字靭帯に大きな負荷が加わります。

 

 

{3}下肢筋肉群の機能低下

前十字靭帯は、脛骨の内旋と前方へのずれを制限しています。一方ハムストリングスは、膝関節の外旋・内旋及び前方の安定性を確保しています。ハムストリングスは前十字靭帯の機能を補助している非常に重要な筋肉になります。ハムストリングスの機能が低下すると、前十字靭帯や膝関節関節包などの傷害リスクが高くなってしまいます。

 

 

{4}固有受容器の機能低下

膝関節の安定性は機械的安定性と、中枢神経系〜関節間の相互作用によって決定されます。中枢神経が膝関節からの知覚情報を明確に認識できなければ、膝関節の不安定性の原因となります。このようなコンディションで同じ動作を繰り返すと、関節周辺組織の微細外傷を発生させてしまいます。

 

 

 

②性差

{1}ホルモンバランス性差

膝関節の不安定性に対して、体内ホルモンの影響が示唆されています。またエストロゲンが増加すると、前十字靭帯の線維芽細胞並びにコラーゲン生成が減少するという報告もあります。

 

{2}解剖学的性差

女性は男性よりも骨盤の横幅が広いため、それに伴って膝関節への負荷が大きくなりやすい傾向があります。

 

 

 

 

一生歩けない身体にならないように!

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こんにちは!

パーソナルトレーナーのけいすけです!

 

今回は身体の構造についてお話ししていこうと思います。

タイトルにもありますが、皆さんは「一生歩けない」ということを想像したことはありますか?

多くの方は普段無意識に歩行というものを行なっています。

今回はそんな歩行にも関わる膝の靭帯「前十字靭帯」について詳しく見ていきましょう。

 

 

 

[前十字靭帯の機能について]

①脛骨の前方変位制限

前十字靭帯は、主に脛骨の前方変位を制限します。膝関節が30°〜90°へ屈曲する時の脛骨前方の安定性の80%以上は前十字靭帯に依存するとも言われています。一方で、前十字靭帯は脛骨後方への変位には全く影響がありません。

脛骨の前方変位は、膝関節の屈曲が20°〜45°の間で最大になり、90°以上では内側側副靭帯によって脛骨の前後方向への安定性が維持される傾向があります。

 

②脛骨の内旋制限

前十字靭帯は脛骨の前方変位を制限しているのと同時に、内旋の制限も行なっています。

 

③膝関節伸展時の安定性確保

前十字靭帯の後外側線維束は、膝関節伸展時における安定性に重要な役割を果たします。一方、前内側線維束は屈曲時に膝関節を安定化させます。完全伸展時において、2本の線維束はともに伸張され緊張が生じます。これにより、膝関節伸展位における安定化構造が形成され、膝関節の過伸展を制限しています。

階段昇降時と歩行時の前十字靭帯への負荷は、階段を降りる際が一番負荷がかかりやすくなります。

 

 

 

 

[前十字靭帯の神経系]

脛骨神経から枝分かれした後部関節枝から、前十字靭帯への神経系供給されます。脛骨神経からの関節枝は、膝窩において複数に枝分かれしており、この関節枝は膝関節の関節包後部へも伸びています。

また、前十字靭帯には機械受容器が非常に発達しています。前十字靭帯の機械受容器は、滑膜のすぐ下層へ靭帯に沿って存在し、大腿骨側の付着部周辺でより発達しています。

この機会受容器は靭帯にかかる負荷を感知し、関節の安定性維持に貢献しています。前十字靭帯の損傷後の後遺症に「膝関節の不安定性」がありますが、これは靭帯の損傷に伴い機械受容器にも損傷が生じ、その機能が低下するものであると考えられています。

 

 

 

 

[前十字靭帯への血液供給]

前十字靭帯が損傷すると、しばしば膝関節の腫れを引き起こします。これは靭帯の損傷に伴う出血が原因となっています。

前十字靭帯への血液供給は以下の3構造によって行われます。

・内側膝動脈

・滑膜

・膝蓋下脂肪体

 

内側膝動脈は膝窩動脈の末梢にある動脈であり、膝関節の関節包後部を貫通し、血液供給もおこないます。その後滑膜の中へ入り込みます。膝関節の滑膜は前十字靭帯全体を覆いますが、内側膝動脈は後面に集中しています。

 

この部分にある内側膝動脈を、特に内側膝動脈の脛骨下行枝と呼ぶことがあります。脛骨下行枝は所々で枝分かれしつつ前十字靭帯へと入り込み、周辺領域に血液を供給します。内側膝動脈は前十字靭帯だけでなく、2本に枝分かれして脛骨内側顆と脛骨外側顆へ伸び、それぞれの血液供給も行います。

 

また、前十字靭帯は内側下膝動脈・外側下膝動脈からの血液供給も受けています。この2本は膝窩動脈から枝分かれしており、内側下膝動脈は脛骨内側顆の下を通り、内側側副靭帯に入り込みます。

 

外側下膝動脈は膝関節の外側ジョイントライン付近、腓骨頭近位部を通過した後に、外側側副靭帯へと伸びます。外側下膝動脈はジョイントライン周辺で外側半月へと枝分かれを起こし、その辺縁部ヘも血液供給をしています。これらの動脈は膝蓋下脂肪体において結合しています。

 

前十字靭帯の中心部は、その辺縁部に比較すると血液供給が乏しいと言われています。膝関節の滑膜と膝蓋下脂肪体の損傷は、前十字靭帯への血液供給に大きな影響を及ぼします。

 

 

 

 

産後腰痛の3つの要因とは?

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こんにちは!

パーソナルトレーナーのけいすけです!

 

今回は腰痛についてお話ししていきます。

特に「産後腰痛」について注目していきます。

以前に骨盤についても詳しく記事にしておりますので、そちらも是非ご覧ください。

 

keisukefit.hatenablog.com

 

 

 

 

[骨盤・仙骨の解剖学基礎]

まず初めにもう一度骨盤や仙骨についてお話ししていきます。

骨盤は中央部に仙骨が位置し、その末端に尾骨があります。左右には腸骨があり、下部に恥骨・坐骨があります。生まれたばかりの頃はこれらの骨はそれぞれ独立しており、成人に近づくにつれて結合し、一般的に知られる骨盤を形成していきます。

骨盤のうち仙骨は逆三角形の形状をしています。上部(仙骨底)が腰椎との結合部となっており、下部(仙骨尖)へ行くほど細くなり、下面で尾骨と結合します。広背筋の付着部である正中仙骨稜は、仙骨中央部に点在する突起部分が形成する線のことをいいます。

骨盤下部にある恥骨結合には、主に腹直筋・腹横筋が付着し骨盤の安定性に寄与しています。そして、主に腹直筋は恥骨結合から体側の下肢に向かうようにして、長内転筋と筋連結を起こしていると言われています。

 

 

 

 

 

[筋による安定性確保の関係]

骨盤のアライメントは「前傾」と「後傾」の2種類に大きく分けることができます。仙骨もまた「前傾」と「後傾」に分類できます。前傾変位をニューテーション、後傾変位をカウンターニューテーションと表現します。

仙骨や骨盤の前傾筋として知られているのは、脊柱起立筋と腸腰筋です。これらの筋群が、仙骨を後方より引き上げ、前方より引き下げるように働きます。その結果、仙骨が反り腰のような状態になります。上記筋群以外にも、前傾に作用する筋として大腿直筋、腰方形筋、縫工筋等が挙げられます。

 

一方後傾筋として知られているのは、ハムストリングスや腹直筋です。この筋群が、先ほどの前傾筋とは真逆の作用に働きます。

こうした前傾筋・後傾筋ですが、立位と臥位などの姿勢によって、その条件が変化することに注意が必要です。

 

 

 

 

 

[産後腰痛の3大原因]

①生理的原因

妊娠3~7ヶ月頃は、女性のリラキシンというホルモンが多く分泌されています。リラキシンが分泌されると靭帯が緩み、関節部のスタビリティが弱くなることで、産道が広がり出産しやすい状態になります。多くの女性は、産後にこうした骨盤周辺の大きな変化により、産前産後に姿勢の歪みや慢性痛を抱えやすくなります。

 

②器質的要因

少ない原因ではありますが、子宮にできる良性腫瘍である子宮筋腫の症状の1つとして、腰痛が挙げられます。

子宮筋腫エストロゲンの影響を受けて大きくなり、放置するとその重量は約10kgにまで成長することもあります。成人女性の約5人に1人がこの子宮筋腫を持つと言われています。

子宮筋腫は、発生部位により種類がいくつかに分けられます。

・粘膜下筋腫(子宮内膜に向かって発生)

・筋層内筋腫(子宮壁内で発生)

・漿膜下筋腫(子宮外側に向かって発生)

このうち漿膜下筋腫は、成長すると腹部から触れることもできるようになります。成長すると骨盤内にせり出し、周囲の臓器・神経を圧迫して腰痛につながりやすくなります。自覚症状が乏しく、一定以上大きくなるまで見過ごされることもあります。

 

③心因的原因

妊娠や子育てなどのストレスによる原因。