血流の改善はメリットでしかない!?
こんにちは!
パーソナルトレーナーのけいすけです!
今回は「血流改善」についてお話していきます。
特に女性の月経困難症にポイントを置きながらお伝えしていきます。
以前の月経に関する記事はこちら
月経困難症は、主に「原発性月経困難症」と「続発性月経困難症」の2種類があります。このうち原発性月経困難症とは、子宮をはじめとする骨盤腔内にて、疼痛となる器質的病変が見られません。
原発性月経困難症の特徴としては、血流不全・鬱血・虚血などが疼痛や不快感の原因となっていることが多いのが特徴です。
[骨盤の血液供給]
骨盤底筋群、子宮へ血液を送るのは次の主な血管になります。
・側副の血管
・卵巣動脈
・子宮動脈
このうち、最も血液量が多いとされているのは子宮動脈です。これらの動脈の血液供給が改善されれば、症状改善の可能性が言われています。
そのアプローチの前提として、血管周囲には筋肉が存在し、物理的に筋肉と接触しているという考え方があります。これらの筋群はポンプのように働き、内臓の上下運動するなど物理的作用が働き、血流が改善されるという側面があります。
実際に運動を実施すると、内腸骨動脈の血流が増大し、内腸骨動脈から分枝する子宮動脈の血流量も増大すると考えられます。
[血流改善に関係する筋群]
次の筋群は運動によって鍛えることで、血液供給の改善が見られます。
・腸腰筋
・骨盤底筋群
・臀筋群
・腹横筋
実際に、これらの筋群を用いたエクササイズを行ったところ、運動直後に該当の血流の改善が認められたという研究もあります。その研究では運動20分後でも、血流増大は維持できるという結果が得られています。
腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群等インナーユニットが機能不全になると、静脈・リンパ作用といった各機能が低下し、骨盤内が鬱血するといった報告があります。また横隔膜の機能低下が見られると、横隔膜の三孔を通る下大静脈、大動脈の血流が低下し、内腸骨動脈にも悪影響を及ぼします。それによって骨盤内の血流にも影響があると考えられます。月経前症候群に似たうっ血のような症状も、やはり月経前〜月経期に多く見られます。
これらの報告や症状を総合して考えると、血液の循環機能とうっ血、冷え性、不快感、下腹部痛には何らかの関係があると予測できます。逆を言うと、運動によって血流が増大し、コアの筋群を十分に使える場合、症状の悪化を防げるあるいは回復・改善の方向に向かう可能性もあります。
月経困難症の改善方法 〜姿勢アプローチ編〜
こんにちは!
パーソナルトレーナーのけいすけです!
今回も女性の方必見です!
以前にもご紹介した「月経における症状」にも少し触れた「月経困難症」について少し詳しくお伝えしていきます。
是非過去記事もご覧いただけると幸いです。
[姿勢や骨盤内臓器と月経時の痛みとの関連]
骨盤内に位置し、骨盤によって保護されている関係にある臓器を「骨盤内臓器」と呼ばれています。骨盤内臓器は骨だけでなく、周囲の軟部組織や骨盤底筋群、靱帯といった各組織の均衡が保たれサポートされています。この均衡が崩れると姿勢不良が起こり、アンバランスな筋緊張等を生み、このサポート機能が正常に機能しなくなります。すると、骨盤内臓器に不安定性が生じたり圧迫されたりして、疼痛や月経困難症といった症状を生み出すのではと考えられています。
子宮の角度や骨盤の前後傾と月経痛・性交痛との相関関係については、まだわかっていない部分もありますが、一つの傾向があると見られています。
・骨盤が過度後屈と、月経痛の強さとに正の相関が見られます
・子宮や経血排出路が左右で不均等な人は、月経時の子宮内収縮が激しくなり、痛みが起こりやすい
[骨盤位置との関係性]
①骨盤中間位
ASISと恥骨結合が、身体の前面で見て同一線上にあります。この状態では内臓の重量負荷が均等となり、局所的に痛みが起こりにくくなります。
②骨盤前傾位
骨盤前方部分への圧が増加します。イメージとして、骨盤内臓器が恥骨結合に乗り上げる・乗り越えるような形となります。この状態は腹圧がかかりやすく膀胱が恥骨結合へ押し付けられ、恥骨結合の炎症・膀胱の障害などのトラブルが発生すると考えられています。
③骨盤後傾位
骨盤後方部分への圧が増加します。骨盤内臓器の負荷が骨盤底筋群に大きくのしかかり、骨盤底筋群の短縮が見られ、頻尿・頻便のリスクが高まります。この場合の短縮は、圧に対抗するため骨盤底筋群が筋厚が増加している状態であり、むしろ「緩み」が生まれていると考えなくてはなりません。
[骨盤底筋群の重要性]
姿勢アライメントと月経困難症の関係において、重要なファクターとなるのが骨盤底筋群だとされています。骨盤底筋群はインナーユニットの1つであり、コアスタビリティに必要不可欠な筋群です。同じくコアスタビリティに関連する横隔膜のトレーニングを行うと、その上下動によって骨盤底筋群のトレーニング、活性化になるとされています。
[子宮体部の痛みの原因]
子宮体部の痛覚を支配する求心性神経は、Th12~L3の脊髄神経節へ走行するとされています。一般的に下腹部痛があると腰部の筋の過緊張が見られると言われています。患部周辺の筋群の緊張、骨盤後傾で該当する筋群に牽引型の緊張が常に加わっている、腰の過剰な反りによる短縮性の緊張が加わっているなど、要因はいくつかあります。
いずれにおいても、腰部の筋群の過緊張が神経の興奮を促し、侵害受容器を刺激して痛みを誘発することも考えられます。子宮体部や下腹部痛の支配神経、周囲の筋群との関係性を考慮すると、胸・腰椎の可動性が低下するほどの過緊張がある場合、結果的に下腹部痛や子宮への悪影響に繋がると考えられています。
[トレーニングでの注意]
妊娠中、女性の体内では産道を確保しやすくするためにリラキシンが分泌され、靭帯を緩和し骨盤を緩める作用があります。一般的に妊娠2~3ヶ月目から分泌され始め、強い筋発揮ができず慢性痛にもなりやすいと言われています。
この時期以外でも、女性の方は負荷の高いトレーニングを行う場合、特に排卵以降は、骨盤が緩み強い筋発揮ができない時期だとされています。多くの女性は月経前に体調不良を覚えやすいので、該当の期間でのハードトレーニングは効果が薄いという報告もあります。
女性必見!生理痛を助長する食事!
こんにちは!
パーソナルトレーナーのけいすけです!
今回は女性の方は特に必見です!
生理痛を助長する食事と題して、注意するものやその期間中のオススメ食材などもご紹介していきます。
以前に「生理痛を緩和する方法」として記事を書かせていただきました。
少し似た内容もあるかもしれませんが、是非ご覧いただければと思います。
月経の時期に起こる不調の中で最も多いのが、下腹部や腰が痛くなる月経痛です。子宮が経血を外に押し流そうとして収縮し、同時に子宮内膜の中のプロスタグランジンという発痛物質を分泌することから起こるもので、痛みには個人差があります。
この発痛物質が血液中を流れることで、頭痛などを招く場合もあります。月経痛の程度は年代によって変化するほか、疲れや体調にも左右されます。
[生理痛を助長する栄養素・食物]
①オメガ6
必須脂肪酸であるオメガ6は、牛肉・豚肉・卵・バター・サラダ油・ごま油に含まれます。オメガ6は体内で分解され、その過程でアラキドン酸に変化し、さらにプロスタグランジンに変化します。
体内の炎症部位・損傷部位では神経痛反応としてブラジキニンという神経物質が生成されます。プロスタグランジンはブラジキニンと相互作用し助長し合います。タンパク源として焼き肉などを食べすぎれば、かえって筋肉痛を助長します。これと似た状況が生理痛でも起こります。
②砂糖(白砂糖)
精製されて作られた白砂糖は、身体に必要な栄養素はほぼ入っていません。血糖値の急激な上昇、インスリンの過剰分泌による肥満リスクの増大といった身体的なリスク、血糖値の急降下・セロトニンの分泌量低下で虚無感に襲われ、精神状態の乱高下から精神疾患のリスク増大など、精神面の悪影響も大きくなります。
糖は消化・吸収時に大量のビタミンを消費します。砂糖はその傾向が顕著で、ビタミンB1、マグネシウムといった多くの栄養素を消費し、身体に負担をかけながら吸収していきます。
ビタミンが喪失するということは、コラーゲンの生成が阻害されたり、粘膜に炎症を起こすなどの反応を示します。美容面はもちろん、エネルギー生成にも悪影響が及びます。砂糖の過剰摂取でビタミンが喪失すると、血管の拡張が引き起こされ、体内で炎症反応を引き起こすヒスタミンが分泌されます。
③アルコール
アルコールは分解過程において加水分解されていくが、アセトアルデヒドに分解される過程で、砂糖と同様にヒスタミンが分泌されます。
そもそもアルコールはこれ以外にも多くの健康リスクが存在します。国際ガン研究機関においても、アルコールはタバコ同様にガン発症リスクを高める代表的な存在とされています。
[生理痛を軽減する栄養素・食物]
①オメガ3
オメガ3はαリノレン酸に代表される必須脂肪酸の一つです。DHA・EPAなど魚に多く含まれるほか、アマニ油・えごま油が挙げられます。
②ビタミンA
ニンジンやうなぎに多く含まれ、抗酸化作用が非常に強いため体内のヒスタミンの作用を相殺しつつ、コラーゲン生成、肌のターンオーバーを促してくれます。
③ビタミンC
ビタミンCは抗ストレスビタミンとして知られています。朝には果物を食べるのがオススメです。これはビタミンCを摂取して、日中に多く発生するストレスや、日中最も分泌量が多くなるコルチゾールに対抗できる点にあるとされています。
④ビタミンE
ビタミンCと同様に、抗ストレスビタミンとして知られています。アーモンドなどに多く含まれています。
ビタミンDはうつ病を改善する作用があるとされるほど、抗ストレスビタミンとして知られています。太陽光を浴びて体内に生成できるため、健康・ダイエットを兼ねて15〜30分の散歩をするものオススメです。食材としては、キノコ類や魚介類に多く含まれています。
ほうれん草、ナッツ類、魚、大豆などに多く含まれます。骨の健康や神経伝達のコントロールなどに働くマグネシウムは、欠乏すると精神障害の要因になるのが示唆されています。精神的ストレスでマグネシウム量は低下するので、意識的に摂取をすることが大切です。
無月経とトレーニング効果の関連性
こんにちは!
パーソナルトレーナーのけいすけです!
今回は以前の記事でお伝えした「無月経」とトレーニングがどのような関連性があるのかをお伝えしていきます。
無月経の要因として考えられるのが、エネルギー不足・体重減少・オーバートレーニング・ストレスなどが挙げられます。
①内分泌機能低下による食欲調整機能の低下
人は情緒の安定性を求めるため、血糖値を高めて一時的な脳の興奮作用、セロトニン分泌を図ろうとします。これが過食の原因となりますが、こうした抗ストレスの反応に対して、コルチゾールの分泌量が増えて、血糖値上昇をさらに上昇され、さらには体内でグレリンが分泌され過食傾向をさらに強めます。
こうしたサイクルの一方で、満腹感につながるレプチンの分泌量は減少します。
②視床下部での性ホルモン分泌調整機能の低下
性腺刺激ホルモン放出ホルモンの分泌が減少し、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモンも減少します。結果エストロゲンが減少することで、無月経・骨粗鬆症のリスクが高まります。
[トレーニング効果への影響]
特にアスリートにとって、試合のパフォーマンスには一定以上の筋量・骨量が求められます。
その時にタンパク質の同化促進、分解抑制を担うアナボリックホルモンが重要となります。
しかし、無月経ではアナボリックホルモンが減少し、トレーニング効果が半減する可能性があると言われています。
つまり無月経の女性は運動パフォーマンス低下、骨密度低下、自律神経の乱れ、食欲調整機能の低下など、数多くのリスクを抱えることになります。
[成長期での懸念点]
身長や体重が劇的に変化する成長期では、過度なダイエットなどを続けると、月経異常や筋量・骨密度の低下に繋がります。
そうなる前に、過剰にならない程度で身長の増加に合わせ、体重も増やします。適度に運動を重ねて骨量・骨密度を高めることが大切です。
食事バランスを気をつけて、栄養が偏らずに正常な月経を保てていることが大切になってきます。
[まとめ]
アスリートはハードな運動・トレーニングにより、骨に長軸方向の負荷が多くかかり、微細な損傷→回復のサイクルも生まれます。一般的にはアスリートの方が骨密度・骨量は高くなります。
しかし、10代で1年以上の無月経を経験していたり、BMI値が18.5以下の痩せすぎに分類されているなどの条件に当てはまる場合、非アスリートよりも骨密度が低くなる傾向があります。
体組成を意識して、ダイエットに熱が入るのはダメなことではありません。ただし、健康面もしっかり意識したダイエットが長期的に続く秘訣になります。
「オーガニック」のメリットとデメリット
こんにちは!
パーソナルトレーナーのけいすけです!
ダイエットにおいて、食事は切っても切り離せないものですよね。
今回はその食事の中でも「オーガニック」に注目してお伝えしていきます。
[オーガニックについて]
近年の健康ブームで、オーガニックは非常に身近な存在になっています。
(日本における有機食品とオーガニック)
日本において、有機食品とオーガニックは同じ意味合いで使われています。JAS規格に適合した生産が行われている食品は、登録認定機関が検査を実施しています。正式に認定を受けた事業者のみが、有機JASマークを付与されています。
(オーガニックの定義)
農薬や化学肥料に頼らずに、太陽・水・土地・生物など自然の恵みを生かした農林水産業や加工方法を意味しています。
(オーガニックの種類)
・有機農産物
種まきや植え付けの2年以上前から、農薬・化学肥料・除草剤を使用していない田畑で作られたものとされています。
また、有機栽培の証である有機JASマークを付けています。農産物の国内総生産量に占める有機農産物の割合は、わずか0.24%です。
・有機加工食品
原材料である、有機農産物および有機畜産物の有する特性を、製造又は加工の過程で保持されているものをいいます。かつ物理的あるいは生物の機能を利用した加工方法がされていて、化学的に合成された食品添加物、薬剤を使用していないものを指します。
原材料及び添加物の重量に占める割合が、農産物、畜産物、水産物及びこれらの加工品並びに対して5%以下でないといけません。
・有機畜産物
環境への負荷をできる限り低減して生産された飼料を使用し、動物用医薬品の使用を極力避けているものを指します。また動物の生理学的要求、行動学的要求に配慮して飼養した家畜から生産されたものを指します。
・有機飼料
有機飼料のJAS規格に従って生産された飼料で、有機でない原材料の比率が5%以下であるものと定められています。
有機飼料の生産の原則として、有機基準で生産された特性を、製造・加工の過程でも保持されます。抗生物質及び組み換えDNA技術を用いたものや、化学的に合成された飼料添加物や薬剤の使用は避けることが前提とされます。
[オーガニックの安全性]
オーガニック食品は、一般の食品より安全であることは間違いありません。
しかし正確には、健康リスクが0というわけではありません。
食品の安全は3つの危害要因が一定以下に抑えられてはじめて成立します。
・異物などの物理的危害
・菌類などの生物的危害
・農薬や重金属等による化学的危害
このうち物理的危害と生物的危害は、食品衛生法の下で全ての食品の安全性が担保されているので、オーガニックが特別優れているわけではありません。
しかし、オーガニックは田畑で使う飼料をはじめ、加工食品の添加物でも化学的なものを極力排除するので、一般の食品に比べて化学的危害のリスクが非常に低いです。
とはいえ、オーガニックは化学物質不検出を完全に保証できるわけではありません。オーガニックは確かに健康上では安全性の高い選択肢ですが、だからといって「ゼロリスク」であるということではありません。