月経困難症の改善方法 〜姿勢アプローチ編〜
こんにちは!
パーソナルトレーナーのけいすけです!
今回も女性の方必見です!
以前にもご紹介した「月経における症状」にも少し触れた「月経困難症」について少し詳しくお伝えしていきます。
是非過去記事もご覧いただけると幸いです。
[姿勢や骨盤内臓器と月経時の痛みとの関連]
骨盤内に位置し、骨盤によって保護されている関係にある臓器を「骨盤内臓器」と呼ばれています。骨盤内臓器は骨だけでなく、周囲の軟部組織や骨盤底筋群、靱帯といった各組織の均衡が保たれサポートされています。この均衡が崩れると姿勢不良が起こり、アンバランスな筋緊張等を生み、このサポート機能が正常に機能しなくなります。すると、骨盤内臓器に不安定性が生じたり圧迫されたりして、疼痛や月経困難症といった症状を生み出すのではと考えられています。
子宮の角度や骨盤の前後傾と月経痛・性交痛との相関関係については、まだわかっていない部分もありますが、一つの傾向があると見られています。
・骨盤が過度後屈と、月経痛の強さとに正の相関が見られます
・子宮や経血排出路が左右で不均等な人は、月経時の子宮内収縮が激しくなり、痛みが起こりやすい
[骨盤位置との関係性]
①骨盤中間位
ASISと恥骨結合が、身体の前面で見て同一線上にあります。この状態では内臓の重量負荷が均等となり、局所的に痛みが起こりにくくなります。
②骨盤前傾位
骨盤前方部分への圧が増加します。イメージとして、骨盤内臓器が恥骨結合に乗り上げる・乗り越えるような形となります。この状態は腹圧がかかりやすく膀胱が恥骨結合へ押し付けられ、恥骨結合の炎症・膀胱の障害などのトラブルが発生すると考えられています。
③骨盤後傾位
骨盤後方部分への圧が増加します。骨盤内臓器の負荷が骨盤底筋群に大きくのしかかり、骨盤底筋群の短縮が見られ、頻尿・頻便のリスクが高まります。この場合の短縮は、圧に対抗するため骨盤底筋群が筋厚が増加している状態であり、むしろ「緩み」が生まれていると考えなくてはなりません。
[骨盤底筋群の重要性]
姿勢アライメントと月経困難症の関係において、重要なファクターとなるのが骨盤底筋群だとされています。骨盤底筋群はインナーユニットの1つであり、コアスタビリティに必要不可欠な筋群です。同じくコアスタビリティに関連する横隔膜のトレーニングを行うと、その上下動によって骨盤底筋群のトレーニング、活性化になるとされています。
[子宮体部の痛みの原因]
子宮体部の痛覚を支配する求心性神経は、Th12~L3の脊髄神経節へ走行するとされています。一般的に下腹部痛があると腰部の筋の過緊張が見られると言われています。患部周辺の筋群の緊張、骨盤後傾で該当する筋群に牽引型の緊張が常に加わっている、腰の過剰な反りによる短縮性の緊張が加わっているなど、要因はいくつかあります。
いずれにおいても、腰部の筋群の過緊張が神経の興奮を促し、侵害受容器を刺激して痛みを誘発することも考えられます。子宮体部や下腹部痛の支配神経、周囲の筋群との関係性を考慮すると、胸・腰椎の可動性が低下するほどの過緊張がある場合、結果的に下腹部痛や子宮への悪影響に繋がると考えられています。
[トレーニングでの注意]
妊娠中、女性の体内では産道を確保しやすくするためにリラキシンが分泌され、靭帯を緩和し骨盤を緩める作用があります。一般的に妊娠2~3ヶ月目から分泌され始め、強い筋発揮ができず慢性痛にもなりやすいと言われています。
この時期以外でも、女性の方は負荷の高いトレーニングを行う場合、特に排卵以降は、骨盤が緩み強い筋発揮ができない時期だとされています。多くの女性は月経前に体調不良を覚えやすいので、該当の期間でのハードトレーニングは効果が薄いという報告もあります。