けいすけのフィットネスブログ

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腰痛改善にはあの筋肉が大切!? ~part2~

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こんにちは!

パーソナルトレーナーのけいすけです!

 

今回は脊柱や腰部の安定性に関わる「多裂筋」についてお話していきます。

少し専門的になりますが、是非ご覧いただければと思います。

 

 

 

 

[多裂筋の概要]

{起始}

C4-7の関節突起、胸・腰椎の横突起、仙骨仙腸関節

{停止}

各起始部から2~4つ上に位置する椎骨の棘突起

{作用}

腰椎の前弯。仙骨の前傾。脊柱の安定・支持・伸展、同側側屈、反対側回旋

 

 

多裂筋は脊柱起立筋と異なり、体上部〜下部へ向かうほど筋腹が厚くなります。そのため胸椎の伸展には強く影響しないが、腰椎・仙骨の前傾で強く働く傾向にあります。

多裂筋が機能しない場合、脊柱起立筋が脊柱の安定に働きます。アウターマッスルの筋群が強く働く=インナーマッスルの機能不全にも繋がるので、腰痛の原因にもなりやすいです。

また、仙骨前傾に働く筋は多裂筋以外にはほぼありません。仙骨を立てる=前傾させることは、日常動作のパフォーマンス維持、スポーツの競技力向上、美しいスタイル形成などあらゆる面で重要な項目です。

 

 

 

 

[胸腰筋膜との関連]

多裂筋が上手く機能するには、胸腰筋膜が機能していることが必要となります。

特に重要なのが腹横筋、腰方形筋などがあげられます。

これらが正常に機能すると、胸腰筋膜の中間層が付着する椎体の横突起を、左右均等に牽引することで椎体の安定した動きを支えています。左右どちらかの組織に弛緩・過緊張が生じていると、椎体の動きを阻害=多裂筋が上手く機能しなくなります。

 

 

 

 

[胸最長筋と腰腸助筋との関連]

脊柱の伸展で重視されているのが脊柱起立筋であり、なかでも胸最長筋は肋骨角から仙骨へと走行する一方で、L2以下ではほぼ膜組織であるためにほとんど作用していません。

また、腰腸助筋という脊柱起立筋で最外側に位置する筋肉も、非常に出力が高い一方で腰椎へ強い力が働いていないとされています。腰腸助筋は骨盤後継で上体が前方へ傾いている際、身体が前方へ転倒しないように支える動作で、非常に強く働きます。

 

実際には、多裂筋が骨盤前傾に非常に重要な役割を見せています。T10までは肋骨〜胸骨〜胸椎が輪状の構造を作っており、胸椎が単独で動くことは非常に困難ではあります。

一方でT11とT12は浮遊肋であり、椎体が自由に動作できます。L1やL2なども可動性が確保されているため、これらの部位は可動性が確保されています。

 

こうした身体構造から見ても、多裂筋の重要性を伺い知ることができます。ちなみにL4とL5は腸腰靭帯があり可動性は低いため、仙骨の動きと連動しています。腸腰靱帯の緩みは、ヘルニアや分離症につながりやすくなります。

 

 

 

 

[大腰筋との関連]

大腰筋は浅頭・深頭に分かれます。このうち浅頭はTh12-L4の各椎体に付着し、深頭がL1-L5肋骨突起に付着します。そこから下降した大腰筋は、恥骨筋と鼠径靱帯の間をくぐるように走行し、小転子へ付着します。

腰椎の前弯を作るためのアプローチとして、大腰筋のトレーニングを選択する人は多いと思われます。

しかし大腰筋は股関節0°屈曲位の際、内閉鎖筋と協働して作用し大腿骨体に対する求心性収縮に強く働きます。

そこから股関節45°屈曲位になり腰椎前弯に働き、それ以上の屈曲位でようやく股関節屈曲に作用します。

実際にクランチやシットアップする動作と、腰椎は後弯しているのに対して腸腰筋が強く作用しています。特にクランチ動作では、股関節屈曲の運動が起きていないが、一方で腸腰筋体幹の屈曲方向へ作用します。

 

大腰筋は常に腰椎前弯=背筋を伸ばす方へ働くのではなく、動作の過程でその作用が大きく変化します。つまり多裂筋が正常に機能し仙骨が前傾になっていなければ、大腰筋は姿勢改善に働かないと考えられます。

 

 

 

 

[椎間関節との関連]

椎間関節は椎骨と椎骨の間にある関節ですが、多裂筋と2つの共通点があります。

①侵害受容器が多い

②脊髄神経の後枝内側枝が共通している

つまり多裂筋の過緊張などコンディションが悪くなると、椎間関節にも痛みを感じやすくなります。また椎間関節の構造的不全が起こると、多裂筋の緊張に繋がります。

 

 

 

 

[まとめ]

今回は少し専門的にお話しさせていただきましたが、多裂筋は腰痛を中心に様々な不定愁訴の原因になります。

しっかり理解をし、トレーニングとケアをすることが大切になります。