身体の構造に必要な筋膜の種類とその機能について
こんにちは!
パーソナルトレーナーのけいすけです!
今回は前回お伝えした「筋膜」の種類やその特徴についてお話していきます。
前回の記事も是非ご覧くださいませ。
[筋膜の種類]
①漿膜下筋膜
体腔で漿膜(胸膜・心膜・腹膜)の繊維層を作り、臓器を覆っています。筋肉や内臓を固定する役割があります。
深筋膜の内被包層、体腔を覆う漿膜の間に位置しています。部位によって厚みが大きく変わります。胸膜と胸壁の筋膜は非常に薄く、腎臓周辺では脂肪組織の厚い層を形成しています。浅筋膜と異なり、外層と内層には分かれてはいません。
肥満の人の場合、脂肪の蓄積が不規則な層を形成しやすくなります。また壁側胸膜は、折れ返った部分や間膜の部分で、内臓を包む臓側漿膜と繋がります。
②深筋膜
筋状の白い緻密な結合組織で、灰白色のフェルト様の膜で全身を覆っています。非常に複雑に繋がる膜・帯で形成されています。筋などを本来の位置に保持し、複数の筋をまとめつつ、各筋の間の隔壁になります。なお被膜、脂肪組織といった本来の結合組織に、深筋膜は含まれません。
※深筋膜の3層
・外被包層
皮下筋膜直下に位置し、胴・頚・体肢および頭の一部と広範囲を覆っています。
・内被包層
体壁の内面を覆っている筋膜です。胸腔と腹腔の裏打ちをし、内面は漿膜下筋膜に覆われています。
・中間膜
2つの被包層が分離・接着をすることで形成される筋膜です。全身の筋と他の組織の間に存在しています。
※その他の細かい筋膜
・被包筋膜
骨格筋、骨、血管
・筋筋膜
骨格筋を覆う筋膜です。狭義の筋膜は一般に筋筋膜のことを指します。個々の筋や筋群を覆い、内外から支持して固定、収縮制限、他筋との摩擦の軽減作用を持ちます。筋を覆う筋外膜、筋束を覆う筋周膜、筋繊維を覆う筋内膜に分類できます。
・筋上膜
筋を包み、腱・靭帯に連なっています。筋束が束になった筋肉は、筋外膜と深筋膜に覆われています。上腕三頭筋の筋上膜では、周囲を包む筋膜と癒着しその本体が喪失されることもあります。一方で上腕二頭筋では裂隙によって隔てられて、筋上膜の状態が保持されることもあります。
・筋周膜
筋束を包み腱・靭帯に連なっています。筋繊維が束になり形成された筋束は、筋周膜で包まれています。
・筋内膜
筋原繊維が束なり形成された筋繊維を覆います。
・心膜
心臓の周りの筋膜。
・内臓膜
体液を含み、内臓が漏出するのを防ぎます。
・脳膜
脳を安定させ動きを制限します。
③浅筋膜
皮膚と深筋膜の間にある、皮下脂肪層の中間に位置します。最外層の筋膜であり、結合組織と脂肪組織で構成されています。結合組織の中で、特に傷つきやすい繊細な疎性結合組織の構造を持ちます。
・皮下脂肪
身体のほぼ全体を覆う皮下筋膜の一部は、独特な可動性を作り、深筋膜の上を滑らかに動くような構造をしています。
これらの構造は、筋膜隙によって隔てれています。特に骨の隆起や突出部といった体表のある部位では、2つの筋膜が密に癒着するが、一方で筋膜の独立性は保たれているため、連続性のある構造にはなっていません。
皮下筋膜は皮下組織内にあり、浅皮下筋膜と深皮下筋膜の2層があります。なお、この2層は顔部・頚部では区別があまりなく、身体の大部分の場所で癒着しています。しかし、臍より下方では、浅層・深層を解剖等で容易に分離可能です。弾性繊維が多く、外部からの圧力に対して筋肉を保護する働きを持ちます。2層の間には浅層の動脈・静脈、リンパ管、乳腺、顔面筋、広頚筋などがあります。
・浅皮下筋膜
表面に近い浅筋膜で、全身の皮下に広がります。外層は正常の状態では蓄積した脂肪があり、脂肪層とも呼ばれています。
・深皮下筋膜
内層は通常、脂肪を含まず、豊富な弾性繊維をもつ薄い層です。
深皮下筋膜は、深部の浅筋膜で顔面・頸部・前胸部ではあまり発達しません。
・カンパー筋膜・スカルパ筋膜・コーレス筋膜
腹部皮下組織には、脂肪層・線維層の2層があり、カンパー筋膜は鼠径靭帯を超え、大腿の類似層に連続します。男女ともに、カンパー筋膜は外陰部および大腿内側面の皮下筋膜の浅層に続いています。
深層のスカルパ筋膜は、下方に向かって次第に発達しています。鼠径靭帯の上を通り大腿筋膜に付着しています。正中線上では白線に、下方は腸骨稜にそれぞれ付き、ともに大腿筋膜に繋がります。外陰部・会陰ではそのコーレス筋膜に連続しています。